今回は耐熱鋼・耐食鋼について簡単にお話させて頂きます。
鉄や鋼など常温で強い(硬い)ものも、高温になってしまうとその強さを保てるとは限りません。
タイトルの「耐熱鋼・耐食鋼」とありますが、熱に強い、耐えるという事は下記の条件が必要です。
・高温になっても弱くならない事。
・高温になっても表面が安定している事。
表面がなぜ安定しなくなるのかと言いますと、これは温度が上がる事により空気中の酸素と化合しやすく、表面がボロボロになってしまい寸法や表面あらさが悪くなってしまうからです。
ある範囲内であれば「ハイス」も耐熱鋼と言えますし、表面の安定性で言えば「SUS304、405、403、630」なども耐熱鋼になります。
JISの表記で耐熱鋼の記号は「SUH」になります。
耐熱鋼でむかしから使用されているのは、エンジンのバルブ等で「SUH1, 3, 4」などになります。
これらはマルテンサイト系と呼ばれ、とてもかたく被削性が悪いので難削材と言われます。
フェライト系と呼ばれるもので「SUH446」という材質がありますが、これは強さよりも表面の安定性に優れたものになります。
オーステナイト系と呼ばれる「SUH31、 35、 36、 37、 38」などがありますが、これらはマルテンサイト系より厳しい条件に耐えるもので車の排気弁などに使用されています。
また300代のものは1150℃まで耐える事ができタービンブレード(750℃)などに使用されます。
ちなみにガスタービンやジェットエンジン用の部品はさらに高温での強さや耐食性などが求められる為、「耐食耐熱超合金」と呼ばれ記号はNCF(Ni ニッケル、Co コバルト Fe フェライト)から出来ており別名を「スーパーアロイ」というそうです!
これはもう鋼の域を超えてます!
しかし金属材料というのもは奥が深いですね。
今後も精進!
頑張ってこー☆
コメントをお書きください
サラミ (水曜日, 23 1月 2013 21:55)
車マフラーはパイプがSUS409、本体がSUS430、ステイはSUS304とか聞いてます。 ステンレス材も一定以上の熱がかかるとスチール化するとも。
tsuganemachine (木曜日, 24 1月 2013 17:08)
サラミ 様
コメントありがとうございます。
一定以上の熱がかかるとスチール化する>というのは「時効脆化」と呼ばれる現象の事でしょうか?
約550°以上の高温で使用された場合、金属組織の変化により起こるようですが、これらも熱処理によっては回復できるケースもあるみたいですね!
サラミ (木曜日, 24 1月 2013 17:53)
すみません。 聞きかじりを そのまま書き込んでしまいました。
ステンレスを400℃程度に加熱するとテンパーカラーになりますが
これを酸洗い?すると元の色に戻ると聞きましたが…
tsuganemachine (木曜日, 24 1月 2013)
サラミ 様
コメントありがとうございます。
低温焼きなましによる変色(テンバーカラー)は加熱により酸化被膜が厚くなる事で起こるそうです。
テンバーカラーが付着すると一般的に耐食性が悪くなる事から様々な表面処理を行う事でテンバーカラーの除去をするそうです!